認知症によって引き起こされる症状

認知症によって引き起こされる症状

認知症によって引き起こされる症状

長寿国日本では元気なお年寄りが多数活躍しています。

 

しかし、長生きになればなるほど病気のリスクは高まり、体は元気でも記憶や行動に問題が出てくる認知症は社会問題にもなるほど大きな日本の悩みです。

 

この病気によって必ず引き起こされるものを中核症状といいます。最も有名なものは記憶にまつわるものです。昔起こったことや人物、直前の出来事などすっぽりと記憶から抜け落ちてしまいます。

 

物忘れとの見分け方は、昨日の食事を食べたことは覚えているが何を食べたか覚えていないといったときはただの物忘れ、食べたことすら記憶にないのが認知症と考えることもできます。

 

また、時間や場所、方向感覚などが失われ、なぜここにいるのかわからない、一緒にいる人のことが思い出せない、今日の日付がわからないなど日常生活が難しくなってしまいます。判断力にも障害が出てきますので、目的を持った一連の行動を自立して有効に成し遂げるために必要な機能という実行機能の定義が通用しなくなります。

 

脳機能障害によって引き起こされるものには失語があります。流ちょうに言葉が出てこなくなったり、見たものの名前が出てこない、読めても理解できない、または理解できても読めないということもあります。平仮名だけ、カタカナだけ、漢字だけ書けないなどいろいろな障害の範囲があります。

 

失認は体の器官は問題がなく、五感が正常に働かなくなるものです。五感すべてではなく、そのどれか、またはいくつかに障害を持つことが多くなります。これは見たもの、聞いたものの誤認につながりますので、目の前で起こっていることの正しい判断がつかなくなります。失行とは動きに関係する障害です。今まで何でもない行動の一つ一つがとても難しくなります。

 

鍵を開けること、瓶のふたを開けること、体を動かすことはできても行動そのものをどうしたらいいかわからなくなってしまいます。手順が多い複雑な動きを必要とするもの、例えば料理などを作ることは難しくなります。認知症によって引き起こされる可能性のあるものを周辺症状といいます。

 

徘徊はよく耳にする問題行動のひとつです。徘徊は本人の生活習慣や性格が深く関係しているといわれています。家を出発したものの、目的地に到着することはほとんどないので、体力の続く限り歩き続け脱水や転倒、交通事故などの命に係わる危険性が高まります

 

徘徊には必ず目的地があるので、どこに行きたいのか本人に聞いてみて、一緒に行きましょうなどと優しく声をかけ許容することが重要です。

 

介護をする者にとって最も憂鬱な症状がろう便という行為です。大便などを手でつかんで家中に塗りたくるという、一瞬奇行のような行動にも訳があります。

 

オムツで生活を強いられていたことに対する強い反発とストレスがこのような行動を生み出すと考えられています。オムツの中で排泄することはとても不快なものです。自力で排泄できる場合はできるだけ介助などをしてトイレに行けるように環境を整えてあげましょう。

 

もう一つ介護者がくじけてしまうものに妄想があります。お金を盗まれた、ものを取られたという妄想が介護者への疑いとなって罵声を浴びせるなどの結果になってしまうのです。自分でいつどこに何をしまったか忘れてしまうので、大事なものや現金が探し出せなくなり、出入りしている人間が盗ったという被害妄想に進んでしまうのです。介護者は本人にとって信頼のおける人や部屋の中を整理整頓するなどしてこのような問題を回避しましょう。

 

また、せん妄や幻覚、錯覚といったものも出てくることがあります。体の不調から錯乱状態になるなど精神状態が不安定になりますが、原因に対する治療を行い回復すれば安定します。幻覚や幻聴などは本人にとって現実以外の何物でもありません。頭ごなしに否定しては逆効果です。肯定してしまうのも怖さを助長します。一緒に存在しないことを確認しに行くなど本人も自覚でき、安心できる方法を探しましょう。

 

ほかにも、うつや暴力的になる、失禁してしまう、昼夜が逆転してしまう、帰宅願望、食べれるもの以外のものを口にしてしまう異食などがあります。これは、手の届く範囲に口入れて危険なものを置かないようにするなど配慮が必要になります。

 

認知症は脳の病気です。体は健康な分、患者たちの問題行動は時として私たちにも抑えられないようなパワフルなものであるときがあります。介護者のほうが先にダウンしてしまうといったことも珍しいことではありません。しかし、当の本人は子供のころに返ったように無邪気に思ったことや見たもの聞いたものを素直に伝えようとしているだけなのです。

 

その方法がわからず、苛立ち、不安でどうしたらいいかわからないだけなのです。いつ終わるかわからない介護はとても大変なものですが、患者の心に寄り添い、頑張りすぎない介護をすることが最も難しく、最も重要なことではないでしょうか。