認知症の人への接し方は穏やかに余裕を持って

認知症の人への接し方は穏やかに余裕を持って

認知症の人への接し方は穏やかに余裕を持って

認知症の人への接し方を間違うと、症状が悪化してしまう恐れがあります。

 

認知症の症状は、中核症状と周辺症状の2タイプに分かれます。

 

中核症状は記憶障害や見当識障害、判断力障害や実行機能障害、性格の変化、失認・失行・失語などです。

 

周辺症状はさらに、幻覚や妄想、鬱・不安・焦燥などの心理症状と、徘徊や睡眠障害、暴力や暴言、食行動異常、無反応や不潔行為などの行動症状に、それぞれ分けられます。

 

中核症状は脳の変化に伴い起こる脳機能障害で、必ず起こる症状です。主症状と言い換えてもよく、認知機能の障害を指します。周辺症状は、本人の性格や生活環境、家族などの周囲の人との関係、過去の体験などの、様々な要因が複雑にからみあって起こる症状を指します。

 

よく「ものを盗られた」と言い出す人がいますが、これは周辺症状の妄想障害で、もの盗られ妄想が現れてしまっている状態です。過去にお金で苦労したり、介護者との関係がよくない場合に起こることが多いです。周辺症状は、本人を責めたり、無視してしまうと症状が悪化してしまうのが厄介な問題です。

 

初期段階では、本人の頭がはっきりしていることも多く「なぜこんなことができないのか、思い出せないのか」「あんなことを言ってしまったのか」などの後悔や不安を抱えています。その時に責めてしまうと、プライドが傷つけられて孤独感を感じてうつ状態になってしまう可能性があります。また、無視するのも同じように孤独感を与えたり、意固地にさせて状況を悪くさせてしまう可能性があります。

 

介護者も辛いですが、予防や改善のためには他人とのコミュニケーションやふれあいが大切です。人との関わりが減ってしまうと、ますます症状が進行してしまう可能性があるので、できるだけうまく接していくコツを身につけるようにしましょう。

 

具体的にどう接すればいいかというと、まずはこちらが穏やかな気持ちで、味方であるということをわかってもらうようにしましょう。悪意がないことが伝われば、不安がなくなって心を開いてくれる可能性が高くなります。自分の変化に戸惑って、時にはきついことを言ったりしますが、そういう時にも相手を普通の人と同じように受け入れてあげることが大切です。

 

記憶力や判断力が低下したとしても、自尊心や羞恥心という感情はいつまでも残っているからです。そんなときに「前と違う」と指摘するような発言をすると、相手を深く傷つけてしまうかもしれません。

 

相手に不安を与えないようにするのには、支援する人たちがみんな穏やかな態度で接することが必要です。もし話をしたいというのであれば、時間をかけてじっくり話に耳を傾けてあげることも有効でしょう。とにかく、相手に味方であるということを理解してもらい、警戒心をといてもらうことが先決です。

 

また、できないことがあるからといって、なんでも代わりにやってあげるのもよくありません。できないことが増えていくと、介護者がやってしまったほうが早いことも多くなります。しかし、生活の中で少し手伝ってあげればできることがあれば、その仕事をとってしまわずにサポート役に徹するようにしましょう。

 

全て代わりにやってしまうと、本人の意思が反映されなくなり、生きる意欲がなくなってしまう可能性があります。ただし、できないことはできないこととして、本人が自力でできる能力を生かせるように手伝うことを重視しましょう。

 

できないことばかり数えていると介護者も疲れ果ててしまうので、少しくらい周りと違ってもいいという余裕を持った心で接するようにしましょう。そうすることで、介護の負担を減らしていけることもあります。

 

プライドが高い人に対しては、さりげなくアドバイスするといいです。トイレに行きたそうだけれども場所を忘れているようであれば、トイレまで連れて行って教えるのではなく、トイレがあったことに気づいたようなそぶりでさり気なく教えてあげましょう

 

やってはいけないこととしては、無視することです。認知症の人は、不安と一緒に深い孤独を抱えています。自分が何を言ってもおかしい扱いをされて、最終的に無視されてしまうとなれば、かなり心の闇は深くなります。存在を無視され続けているとかえって意固地になり、自分の殻に閉じこもる可能性もあります。

 

身体に対する不安もですが、誰にも理解してもらえない孤独感も本人にとっては耐え難い苦しみます。症状を悪化させないためには、孤立させないで、できるだけ他人と交流する場を用意してあげたほうがいいです。もともと社交好きな人であれば、施設に入れても周りの人たちと楽しくやっていける場合も多いです。

 

接し方では、基本は穏やかにしつつ、相手のいいなりにならないことが重要です。できることはサポートして本人の意思を反映させてあげるようにしましょう。また、孤独にならないように会話やスキンシップなどを行い、コミュニケーションを図るようにしましょう。