認知症に大切なコミュニケーションとは

認知症に大切なコミュニケーションとは

認知症に大切なコミュニケーションとは

認知症になってしまうと、記憶力や認知力に異常が出るので、うまくコミュニケーションが取れなくなることがあります。

 

話せる場合でも、うまく言葉が出てこなくて怒って攻撃的になることもあります。

 

また、逆に介護者がイライラしてしまい、認知症患者さんを傷つけてしまうこともあります。

 

話し方では、何度同じことを聞かれても根気よく答えるようにしましょう。「さっきも同じことを言った」というような受け答えをしてしまうと、本人のプライドを深く傷つけてしまい、内にこもってしまう可能性があります。人によっては意固地になって口をきかなくなり、ますます症状が悪化することもあります。

 

うまく言葉がかわせないのも、病気の症状です。これは周辺症状の失語といって、病気がそうさせているのですから、ムキになって否定しないようにしましょう。まずは症状のひとつだということを理解して、受け入れていくことが大切です。こちらが受け入れると、相手にも受け入れてくれたという気持ちが伝わるのでコミュニケーションがうまくいく可能性が高くなります。

 

また、言葉を使ってうまく意思交流できないようならば、バリデーションというジェスチャーやスキンシップによる意思伝達を行ってみましょう。微笑みかけたり、指をさしたり、手をさすってあげたり、抱きしめてあげたり、といったことでも、十分に意思は伝わります。特に不安が強い人に対しては、手に軽く触れて表情を交えてジェスチャーして、こまめに意思交流してあげましょう。

 

介護者がうまく相手の気持ちを読み取れないと感じて焦ると、その焦りが相手にも伝わってしまいます。もしニコニコしているけれどもよく分からないという場合には、無理にわかろうとしないでこちらも微笑み返してあげるだけでもいいでしょう。話ができる人ならば「何かあったの?」などと言葉を発するきっかけとなる言葉かけをしてみるのもいいです。

 

話をするときには、頭ごなしに否定や反論をすることはやめましょう。攻撃的な言葉を投げかけてくることもありますが、それは本心ではないこともあります。病気がそうさせていると考えると、どう接すればいいのかがわかってきます。まずは相手のことを全面から受け入れることが大切です。

 

相手が悪い、間違っているという態度で返事をするのではなく、まずは気持ちを全て受け入れてあげることが大切です。支離滅裂なことを話しているときでも「そうだね」「なるほどね」「そういうこともあるね」など肯定的な返事を返すようにしましょう。

 

逆によくないのは、こちらの意見や考えを押し付けてしまうことです。健康な人であれば口論になって喧嘩するというようなことになるかもしれませんが、認知症の人は否定されると傷ついて孤独を感じたり、悲しくなって取り乱したり、激しく怒り出すこともあります。なので、意見はさしはさまず、相手に共感して話すことを聞いてあげるようにしましょう。

 

また、話すときには相手の方を向いて、近寄って声をかけるようにしましょう。目を見ないで遠い場所で話しかけるのはよくありません。テーブルなどちょっとした障害物があることも、警戒心を高めてしまうことがあるので、相手の目線に自分の目線を合わせる高さに調節して話しかけてみましょう。

 

アイコンタクトという言葉もあるように、目を見つめ合うだけでも相手の言いたいことはなんとなくわかるものです。相手もこちらに敵意がなく、理解しようとしているという表情を見せれば心を開いてくれるようになります。また、何か伝えたいときにはシンプルに話すようにしましょう。ひとつの言葉の中に複数の意味が込められていると、混乱させてしまう可能性があります。

 

例えば「お皿を持って食べてね」というとお皿を持つ行為と、食べるという行為の2つを理解する必要があるので、わからなくなって行動に移せない可能性があります。なので、まず「お皿を持ってね」と伝えて、それができたら「食べてね」というふうに分けて伝えるようにしましょう。

 

健康な人にとっては簡単な言葉かもしれませんが、理解力が落ちている相手にとってはいっぺんに複数のことを言われると混乱のもとになってしまうので気をつけましょう。

 

そして、大切なのが言語以外のコミュニケーションです。手や腕を使ったり、体全体を使うことで、言葉を使えなくても思いを伝えられる可能性があります。たとえ病気で脳細胞が壊れてしまっても、人間らしい感情は昔のまま残されています。言葉以外に抱きしめるなどの温かい仕草や、豊かな表情で接してあげると、お互いに意思疎通ができていると感じて、積極的になってくれることがあります。

 

寂しいときには手を握ったり、疲れているときには背中をさすってあげたり、辛そうにしているときには黙ってギュッと抱きしめてあげるなど、言葉を使えなくても思いを伝えることはできます。これを日常的にやっていけば、徐々に心を開いてくれるでしょう。